日本人約3.000万人がいびきをかくと言われております。
家族からいびきがうるさいと言われて肩身が狭い思いをしたり、いびきが気になり旅行に行くのをためらうという 人は潜在的にかなりの数に上ると考えられます。また、夜、熟睡出来ず、日中強い眠気に陥り、交通事故や労働災害などを起こす原因となり、社会問題ともなっております。

はじめに

快眠は誰もが望んでいることであり、また健康の基本です。ところが「夜熟睡できない」「昼間眠くて困る」など、何らかの睡眠障害がある人は、全人口の20%にも及ぶと言われています。
中でも、睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)は、一般人口の1~2%に見られ、日中の眠気による仕事の能率低下や居眠り運転事故など、社会生活にさまざまな支障を来すばかりでなく、高血圧症や不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害などの誘因ともなっています。またナルコレプシーなどの過眠症も睡眠障害の一つです。

これら睡眠障害の診断と治療には、睡眠状態と睡眠中の身体機能を客観的に評価する睡眠ポリグラフ検査(PSG)をはじめ、呼吸機能や心機能、鼻咽頭機能などの検査を行う専門施設が必要です。さらに、神経科や呼吸器科、循環器科、耳鼻咽喉科、歯科などの各科専門医および臨床検査技師、看護婦などの連携と協同によるチームケアも不可欠です。前澤外科内科クリニックをはじめとした南信州睡眠研究会は、このような機能を持った専門医の集まりです。

診察及び検査内容

●外来診療
「いびき」や睡眠時無呼吸の診療。医師の診察と心機能や呼吸機能、鼻咽頭機能などの検査を行います。その結果により、睡眠ポリグラフ検査を行います。

●専門外来
呼吸器科、神経内科、循環器科、耳鼻咽喉科、歯科などの医師による専門的診療を行います。

●終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)とは
睡眠の状態(睡眠の探さや持続時間)と睡眠中の身体機能(呼吸や循環、身体の動き)を同時に測定する検査です。検査の際は一泊していただき前澤外科内科クリニックで実施致します。検査結果は約1ヶ月で出ます。それに基づき次回診療日に診断と治療方針をご説明いたします。

睡眠時無呼吸症候群

正常な呼吸時には、気道は十分に開いており、空気は何ら妨げられることなく肺に出入りします。

睡眠時無呼吸の場合は、睡眠中に気道の組織が弛緩して空気の出入りが妨げられ、呼吸をすることが難しくなります。本人は、空気が足りない為に、無意識のうちに何回も目覚めています。これでは十分な睡眠がとれず身体も休まりません。

睡眠呼吸障害の治療

睡眠呼吸障害の原因は多様なため、治療法も多様ですが重症度などを考慮してその方に最適な治療法を選んでお勧め致します。
主な治療法には次の3種類があります。

1.CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸法)

鼻マスクを通して空気で持続的に陽圧をかけ上気道の閉塞部位を押し広げることによって“いびき”や睡眠時無呼吸を消失させる方法です。
これは有効性・安全性が高く最も普及している治療法です。この“圧”設定のために、もう一度入院していただき、CPAPを行いながら PSG検査を実施します。
この治療では、自宅で毎晩CPAP装置を使用することになります。

2.歯科装具(スプリント)

下顎を前方に突き出させるように工夫したマウスピースの様な装具 を付けて眠ると、気道が広がり、いびきや無呼吸が軽くなります。

3.耳鼻科的手術

扁桃腺や軟口蓋の肥大などが睡眠時無呼吸の主因であるときは、肥大した部分を取り除く手術が有効 です。

睡眠時無呼吸の治療で動脈硬化の進展抑制が可能

寺元東大老年病科助手が、厚生労働省「効果的医療技術の確立推進臨床研究」の研究成果発表会で睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome:SAS)で問題となる動脈硬化の進展が、同症候群の治療によって抑制できる可能性のあることが明らかとなった。「わが国では、やせ型の人も含め、人口の1~2%が 睡眠時無呼吸に罹患しているともいわれている。その治療が動脈硬化を予防する可能性を直接示した初めてのデータ。さらに長期の追跡により効果をはっきりと証明したい」と話している。

相談受付治療施設

南信州睡眠研究会メンバー

■前 澤 病 院駒ヶ根市0265-83-2151
■北 原 医 院宮田村0265-85-2214
■清水耳鼻咽喉科医院伊那市0265-72-3775
■木 下 クリニック飯田市0265-56-2566
■ユ ー 歯科診療所駒ヶ根市0265-81-7560

睡眠時無呼吸検査の予約状況は当ホームページでご覧になれます。